言語
裴

裴景

登場回
1
台詞の記録
1
人間関係
1
内面の独白
1

史載(Historical Record)

裴景について、現存する史伝の材料、たとえば『三国志(さんごくし)』およびその注引には、明確な記載がない。これは正史の範疇において、裴景というこの人物の生涯・事績・官職ひいてはその存在そのものが、考証しうる史料の裏づけを欠いていることを意味する。したがって、われわれは史料から裴景のいかなる具体的な形象や歴史的貢献も描き出すことができない。

演中(In the Novel)

裴景は羅貫中の『三国(さんごく)演義』において一人の虚構の人物として登場し、その形象は主として司馬懿(しばい)の軍事的才能と治軍の厳明さを造形するために供されている。『三国演義』第一百六回において、裴景は「左都督」の身分で登場する。当時はちょうど司馬懿が軍を率いて公孫淵(こうそんえん)を襄平(じょうへい)に囲んでいたが、秋雨が降り続き、平地の水深は三尺に達し、魏軍の営中は泥濘きわまりなく、兵卒は苦しみ抜いていた。裴景はこれを見て、将士への体恤と戦局への考慮から、帳に入って司馬懿に進言した、「雨水がやまず、営中は泥濘です。軍をここに停められません。前面の山上に移すことをお願いします」。しかし司馬懿はちょうど用兵の肝心な折にあり、軍心の安定と戦略意図の重要性を深く承知しており、裴景の建議に大いに不満を抱き、怒鳴って言った、「公孫淵を捕らえるのは旦夕のうちにある。どうして営を移せようか。もし再び営を移すことを言う者があれば斬る」。裴景はこの言を聞くと、ただ「はいはい」と退き、二度と言わなかった。裴景のこの進言は、好意から出たものであったが、ちょうど司馬懿の逆鱗に触れ、また続いて右都督の仇連が同じ理由で斬られる伏線をも埋め込み、こうして司馬懿の鉄腕の治軍と疑いを許さぬ権威を引き立てた。演義において、裴景のこの登場はわずか一句の台詞のみで、これ以降は再び言及されず、その形象は完全に司馬懿を引き立てるために設けられたものであり、史にも明記がない。

関鍵関係

* 司馬懿(serves):裴景は『三国演義』において司馬懿の部下であり、「左都督」の職を担う。彼の登場は司馬懿の軍事的決策と治軍の厳明さを引き立てるためのものである。襄平を囲む肝心な折、裴景は司馬懿に営を移すことを請う進言をしたが、司馬懿の厳しい叱責を受け、司馬懿の疑いを許さぬ統帥の権威を示した。 (演義独自)

象徴的な場面

* 雨中の進言が司馬懿を怒らせる:『三国演義』第一百六回において、ちょうど司馬懿が襄平を囲み、秋雨が降り続き、軍営は泥濘きわまりなかった。左都督の裴景が帳に入って司馬懿に進言し、営寨を高所に移すことを請うた。司馬懿はこれを聞いて大いに怒り、もし再び営を移すことを言う者があれば即座に斬ると厳しく警告し、裴景はただ唯々諾々と退いた。 この場面は裴景の演義における唯一の登場であり、またその形象のすべての表れでもあり、この進言を通じて、裴景は司馬懿の鉄腕の治軍の背景板となり、司馬懿の威厳と果断さを深く描き出した。 (演義独自)

人間関係

1 件の関係

台詞

  • 演 ch.106 §5→ 司馬懿(しばい)

    「雨水不住,營中泥濘,軍不可停,請移於前面山上。」

登場回1 回 ▸
  • 演ch.106
関係の年表1 条 ▸

演 ch.106

内面の独白 · AI 生成1 段 ▸
  • 雨はまる一月降り続き、陣営の外の道は泥沼と化した。平地には三尺もの水がたまり、兵糧を運ぶ船が遼河の河口から襄平(じょうへい)城下まで行けるほどだった。左都督である私は、魏兵が水に浸かり、立っても落ち着かず、座っても落ち着かない様子を目の当た