史載(Historical Record)
張鈞という人物については、現存する史伝資料の中に明確な記載は存在しない。『三国志(さんごくし)』をはじめとする正史であれ、その他の史書であれ、張鈞という名の人物やその関連する事績については、とりわけ後漢末の黄巾の乱(こうきんのらん)前後において言及されていない。
演中(In the Novel)
羅貫中の歴史小説『三国(さんごく)演義』において、張鈞は郎中の身分で登場し、物語の初期に重要な役割を演じる。彼が初めて登場するのは第二回であり、ちょうど劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)の三人が功績がありながら賞されず、鬱々として楽しまない時であった。劉備は張鈞に対し、黄巾の乱(こうきんのらん)鎮圧における自らの功績を述べ、これに張鈞は大いに驚いた。
張鈞はその後、入朝して漢の霊帝に謁見し、黄巾の乱(こうきんのらん)の根源が十常侍(じゅうじょうじ)による官職の売買、縁故による登用、異論を排斥する行いにあり、それが天下大乱を招いたのだと、率直にずばりと指摘した。彼は霊帝に対し、今の急務は十常侍(じゅうじょうじ)を斬殺し、その首級を南郊に懸けて衆目に示し、使者を遣わして天下に布告し、功ある臣に厚く賞を加えることであり、そうしてこそ天下を太平にできると進言した。
しかし、張鈞の忠言は耳に逆らい、十常侍(じゅうじょうじ)を怒らせた。十常侍(じゅうじょうじ)はただちに霊帝に対し、張鈞が「主を欺いた」と讒奏した。霊帝は讒言を信じ、武士に命じて張鈞を朝廷から追い出させた。張鈞の進言は採用されなかったものの、彼の登場は劉備(りゅうび)らの運命に間接的な影響を与えた。十常侍(じゅうじょうじ)は張鈞を追い出した後、ひそかに協議し、張鈞の言は黄巾の乱(こうきんのらん)平定で功を立てながら封賞を受けなかった者たちに由来するのではないかと考え、しばらくこれら功ある者に微々たる官職を与えて怨言を鎮めることを決めた。まさにこのために、劉備(りゅうび)は定州中山府安喜県尉の職に任じられることができたのである。張鈞のこの度の進言は、自身は挫折を被ったものの、劉備(りゅうび)の仕途に新たな一章を開き、引き続き抱負を発揮できるようにしたのであった。
主要な関係
* 漢の霊帝:張鈞はかつて直接霊帝に進言し、十常侍(じゅうじょうじ)の罪行を暴き、天下平定の策を提示したが、その忠言は採用されず、かえって追放された(演義独自)。
* 十常侍(じゅうじょうじ):張鈞は十常侍(じゅうじょうじ)の強烈な反対者かつ批判者であり、十常侍(じゅうじょうじ)こそ天下大乱の根源であると直言し、霊帝にこれを斬殺するよう進言した。そのため十常侍(じゅうじょうじ)は張鈞を敵とみなし、共謀して彼を朝廷から追い出した(演義独自)。
* 劉備(りゅうび):張鈞は劉備(りゅうび)の功績を聞き及ぶと、彼のために不平を訴え、入朝して進言した。張鈞の進言は成功しなかったものの、間接的に劉備(りゅうび)が安喜県尉に任じられる契機となり、劉備(りゅうび)の仕途を開いた(演義独自)。
象徴的な場面
張鈞の象徴的な場面は、『三国(さんごく)演義』第二回における一度の重要な行動に集約される。
劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)が功績に対し賞を得られず落胆していた時、張鈞の馬車がちょうど通りかかった。劉備(りゅうび)は進み出て、黄巾の乱(こうきんのらん)を平定した自らの功績を張鈞に述べた。張鈞はこれを聞いて大いに驚き、ただちに入朝して霊帝に謁見した。彼は憤然と陳述し、十常侍(じゅうじょうじ)の官職売買と異論排斥こそが天下大乱を招いた根本原因であると直指し、霊帝に十常侍(じゅうじょうじ)を斬殺して天下を安んじるよう強く諫めた。しかし十常侍(じゅうじょうじ)はかえって張鈞を「主を欺いた」と誣告し、霊帝は讒言を信じて武士に命じ張鈞を朝廷から追い出させた。張鈞の忠言は採用されなかったものの、十常侍(じゅうじょうじ)は事後に協議し、功がありながら封賞を受けなかった者にしばらく官職を与えて怨言を鎮めることを決め、これが直接劉備(りゅうび)が安喜県尉に任じられる契機となった。この場面は張鈞の正直さと敢えて諫言する勇気を示すと同時に、間接的に劉備(りゅうび)の初期の仕途の発展を後押ししており、演義における彼の唯一かつ最も影響力のある登場である(演義独自)。
人間関係
0 件の関係
无
台詞
- 演 ch.2 §6
「昔黃巾造反,其原皆由十常侍賣官鬻爵,非親不用,非讎不誅,以致天下大亂。今宜斬十常侍,懸首南郊,遣使者布告天下,有功者重加賞賜,則四海自清平也。」
登場回1 回 ▸
- 演ch.2
内面の独白 · AI 生成1 段 ▸
- 私は張鈞。郎中として朝廷から俸禄を受けている以上、憂えるべきは自分一人の進退だけではない。かつて黄巾が各地で蜂起し、州郡が騒然となり、民は生業に安んじることができなかった。禍乱の原因を思えば、目の前の盗賊だけを見て朝廷に積もる弊害を問わなけ